2008年5月4日日曜日

工学院大学の怖い話(2004年5月)





工学院大学電気電子情報同窓会HPから転載
http://www2.kogakuin.or.jp/denki/denki_old/ 

 怖いお話しです.
 本学八王子校地内に,小さな祠があります.
 何でも,元は5号館の建っている場所にあったのだそうです.
 それを潰して5号館の工事を始めたら,
 なんと祟りがあって,工事中に大きな事故があったのです.
 そこで祠を作り直して,八王子のグランドの隅に祀(ま)ったのです.
 しかし体育館新築とグランドの整備に際して,さらに移転しました.
 その祠は八王子校地のどこか人目のつかない所にあるそうです.

 私はこの話を友人から聞いておりました.しかし元の場所を現在取り壊した学寮のあった場所と勘違いしておりました.そして学寮を建設するときに事故があったと,人に話たりもしていたのです.友人に改めて聞き直したり,古くから勤めておられる事務の方に聞いたりすると,毎年暮れに祭礼行事をしているとのことです.
 八王子に行ったついでに,実際に見てきました.かなり遠くまで登り下りの山道を歩いて参りました.グランドの奥の斜面を降りると,学生の駐車場があります.出口の道を横断してさらに大学の校地があります.山道を少し登って,さらに奥へ下り公道に出る直前にその祠がありました.木で作られた祠を期待していましたが,写真のようにミカゲ石の小さい社(やしろ)でした.

 祟(たた)りなんて,真っ赤な嘘です.人の噂を簡単に信じてはいけません.
 八王子の池田司郎事務部長に,この祠のことを伺いました.これは金比羅様だそうです.昭和60年から毎年,祭礼行事を行っているとのことです.池田部長から頂いた「金比羅社祭礼進行」と題する文書には,昨年とり行われた行事進行が書かれ,金比羅社の由来が記載されておりました.
 そもそもこの金比羅社は,工学院大学が八王子校地を購入する前からこの丘の上の雑木林に,朽ち果てかけた小さな祠として昔からあったのです.それは5号館の場所ではなく,今はグランドになっているところです.昭和38年に八王子校舎を開校した本学が,校地造成工事をする際に,現在の場所に移設しました.そして昭和39年7月20日に入魂式を執り行ったのです.本学の新宿校地再開発に先駆けて,昭和60年頃,5号館の工事を始めました.その際に事故があったのは確かな様です.それが切っ掛けになったのかも知れませんが,「建設の無事竣工と八王子校地の平安と発展」を願って,金比羅社を新しい祠に再建し,昭和60年12月24日に八王子市の子安神社の宮司による修祓式を執り行ないました.
 そのときから,この12月24日を祭礼日と定め,八王子校舎関係者によるお参りが続けられてきました.昨年は池田事務部長,淀川常務理事,中山学生部長,清水中学高校事務長,(仮称)SMBC新築工事関係者,SMBC新築施工担当の前田建設工業(株)西田所長などがご参加されております.

 道祖神や祠などを大事にする風潮は,日本の特に建設関係の方々には根強くあるようです.本学もその習わしに従ったのでしょう.しかし,本来は理屈っぽい人が集まりやすい工科系単科大学の本学に,専属の守り神がおられるということは,何と心強いことでしょう.

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