2008年5月4日日曜日

Jet Stream(工学院大学バージョン)


昔FM深夜放送で良く聞いていたジェットストリームを、
実際に受信した放送の録音を手に入れる機会がありました。
胸が震えるほど、懐かしさを感じました。

これに重ねて、
工学院大学の高層ビルから眺める夜の景色の
ナレーションを作りました。
パクリではなく、パロディーのような新しい創作と、
本人は粋がっております。

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『ビルの輪郭が消えて
深々とした夜の闇に街が覆われるとき、
はるか高層の、ビルから眺める地上の銀河は、
たゆみない人々の営みを告げています。
砂粒のような窓明かりを散りばめた、果てしない東京の街を
ゆったりと見渡す この景色に心を開けば、
光の数ほど、人生の多さが伝わってくる
無言の夜景の何と饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えて行った
遠くのビルの輪郭も瞼に浮かんで参ります

夕方から高層ビルの角に点滅する赤いランプは
夜が深まるにつれて次第に、
ビルの輪郭を現す星座のようになります。
今、目の前に広がっている全ての明かりの下に
限りない幸せが訪れますように。』


ジェットストリームのナレーションは下のURLで
見ることが出来ます。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/nyanko/jetstream_top.htm

工学院大学の怖い話(2004年5月)





工学院大学電気電子情報同窓会HPから転載
http://www2.kogakuin.or.jp/denki/denki_old/ 

 怖いお話しです.
 本学八王子校地内に,小さな祠があります.
 何でも,元は5号館の建っている場所にあったのだそうです.
 それを潰して5号館の工事を始めたら,
 なんと祟りがあって,工事中に大きな事故があったのです.
 そこで祠を作り直して,八王子のグランドの隅に祀(ま)ったのです.
 しかし体育館新築とグランドの整備に際して,さらに移転しました.
 その祠は八王子校地のどこか人目のつかない所にあるそうです.

 私はこの話を友人から聞いておりました.しかし元の場所を現在取り壊した学寮のあった場所と勘違いしておりました.そして学寮を建設するときに事故があったと,人に話たりもしていたのです.友人に改めて聞き直したり,古くから勤めておられる事務の方に聞いたりすると,毎年暮れに祭礼行事をしているとのことです.
 八王子に行ったついでに,実際に見てきました.かなり遠くまで登り下りの山道を歩いて参りました.グランドの奥の斜面を降りると,学生の駐車場があります.出口の道を横断してさらに大学の校地があります.山道を少し登って,さらに奥へ下り公道に出る直前にその祠がありました.木で作られた祠を期待していましたが,写真のようにミカゲ石の小さい社(やしろ)でした.

 祟(たた)りなんて,真っ赤な嘘です.人の噂を簡単に信じてはいけません.
 八王子の池田司郎事務部長に,この祠のことを伺いました.これは金比羅様だそうです.昭和60年から毎年,祭礼行事を行っているとのことです.池田部長から頂いた「金比羅社祭礼進行」と題する文書には,昨年とり行われた行事進行が書かれ,金比羅社の由来が記載されておりました.
 そもそもこの金比羅社は,工学院大学が八王子校地を購入する前からこの丘の上の雑木林に,朽ち果てかけた小さな祠として昔からあったのです.それは5号館の場所ではなく,今はグランドになっているところです.昭和38年に八王子校舎を開校した本学が,校地造成工事をする際に,現在の場所に移設しました.そして昭和39年7月20日に入魂式を執り行ったのです.本学の新宿校地再開発に先駆けて,昭和60年頃,5号館の工事を始めました.その際に事故があったのは確かな様です.それが切っ掛けになったのかも知れませんが,「建設の無事竣工と八王子校地の平安と発展」を願って,金比羅社を新しい祠に再建し,昭和60年12月24日に八王子市の子安神社の宮司による修祓式を執り行ないました.
 そのときから,この12月24日を祭礼日と定め,八王子校舎関係者によるお参りが続けられてきました.昨年は池田事務部長,淀川常務理事,中山学生部長,清水中学高校事務長,(仮称)SMBC新築工事関係者,SMBC新築施工担当の前田建設工業(株)西田所長などがご参加されております.

 道祖神や祠などを大事にする風潮は,日本の特に建設関係の方々には根強くあるようです.本学もその習わしに従ったのでしょう.しかし,本来は理屈っぽい人が集まりやすい工科系単科大学の本学に,専属の守り神がおられるということは,何と心強いことでしょう.

都知事に感謝(2004年5月)




工学院大学電気電子情報同窓会HPから転載
http://www2.kogakuin.or.jp/denki/denki_old/ 

 ここに3枚の写真があります.どれも工学院大学新宿校舎の23階北側の研究室の窓から,池袋のサンシャインビル方向を眺めた写真です.
 「東京のスモッグがよく見える日」というタイトルで,冬の寒い快晴の朝に見られる逆転層の写真をご披露しました.ところが平成16年の冬に,地表を這うスモッグの空気の層が見えなくなったことに気付きました.替わりに筑波山が見えるようになったのです.この現象に気づいたのは平成16年の2月頃でした.その頃初めて筑波山を見たときは,シャッターチャンスだと思って撮りました.その後,晴れているときには殆ど見えることが分かりました.夕暮れ時や,雲がある日には,以前は絶対に筑波山が見えませんでしが,今は見えるときもあります.

 この現象の原因として思い当たるのは,勿論,平成15年10月に施行されたディーゼル車の規制しかありません.人にこの話をすると,「確かに今年になって,東京の空気がきれいになってきたような気がする」という方がおられます.都知事に感謝したい気になるではありませんか.

松風の少女(2003年4月)


松風の少女
「松風のしらべ」:赤川政由作
1999年工学院大学後援会寄贈
(後援会50周年記念)



松風の少女2


松風舎でのパーティー

工学院大学電気電子情報同窓会HPから転載
http://www2.kogakuin.or.jp/denki/denki_old/

 一人の少女を紹介したい.
 工学院大学の八王子校地の斜面を登って最も高いところに行くと彼女に会える.
 松風舎(しょうふうしゃ)は八王子校舎の丘の頂上にある宿泊施設だ.
 普段,この建物は静寂そのものだ.
 彼女はいつもたった一人だけれど,笑顔を絶やすことが無い.
 彼女はいつも楽しそうにブロンズのヴァイオリンを奏でている.
 私にはそれが,寺井尚子のジャズに聞こえる.
 たまにここで研究室やクラブのパーティーが開かれるとき,松風舎は賑やかだ.
 そんなとき,彼女の演奏は冴えわたる.
 そのときの嬉しそうで得意げな笑みを,私は見たことがある.

 彼女に会いたければ,君も丘の頂上に登ってみるといい.
 静寂の中で彼女の無音のしらべを聞いていると,清々しい気持ちになれる.
 もし彼女が君にウィンクしてくれたら,君はその日一日幸せだ.

動かない歩道(2002年3月)


動かない歩道1


動かない歩道2


歩道の主張

工学院大学電気電子情報同窓会HPから転載
http://www2.kogakuin.or.jp/denki/denki_old/ 

 歩道は動かなくて当たり前です.しかし…….
 電気ひげ剃りや洗濯機,自動車,電車,エレベータ,エスカレータなどがもし動かなかったら,それは通常の状況でないことを意味します.本来,歩道は動かなくて当たり前だったのですが,最近,空港や大きな駅の構内等に動く歩道を見かけるようになり,「動かない歩道」とは,故障して動かなくなったり,あるいは動かない時間帯の「動く歩道」を意味するようになりました.
 初めて動く歩道を利用したとき,何か得をしたような感動がありました.しかし人の性とは欲張りなもので,毎日動く歩道を利用するとそのときの感動は薄れ,動く歩道がそこにあるのが当たり前になってしまいます.そして動かない時間帯に出会うと,つい腹立たしくなってしまします. 人が速やかに現状に慣れて,現状と比較してものを感じるのは素晴らしい能力です.これが正常に機能していれば,破格の幸せが不意に訪れても平衡感覚を失わずに生活でき,また失意のどん底にあっても直ぐに希望を見いだして努力することができるのです.しかし余りに急激で,かつ大きすぎる落差に適応するのは,なかなか難しいようです. 平日の朝の9時前や,土曜日などに,止まっている「動く歩道」の脇を大勢の人が歩いているのを見ると,私は腹立たしくなって,この施設の管理に問題があるのではないかと,つい考えてしまいます.サービス部門は現在の体制で何ができるかを考えるのではなく,どうすれば必要なサービスを実行できるかを考えるべきだとか,そのために何にも増して,先ず顧客の実体を把握し,顧客のニーズを知ることだとか….しかし教職に就いている自分に振り替ってみると,大学の対応にはまだまだ努力が必要ではないか反省させられてしまうのです. 誤解をしないで頂きたいのですが,私は決して文句を言いたいのではありません.兎に角,動かない歩道は様々なことを考えさせ,深い思索に私たちを導いてくれます.また歩くことは体に良いのです.それらのことに感謝こそすれ,決して恨むべきではないと考えているのです.
 JRの新宿駅西口から京王プラザホテルまでの地下道にこの「動く歩道」が設置されたのは約5年程前だったかと思います.その当時はホームレスを追い出すために計画したのではないかと批判されたこともありました. 朝この歩道を利用していますと,女性の優しい声で「乗り降りの祭は足下にお気をつけて下さい.」と「"Pleas, watch your step!" 」のアナウンスが小さな音で聞こえてきます.うっとりとしていると突然,男性の大きな声で「こちらは新宿警察署です.この地下道は大切な……」というアナウンスに驚かされます.アナウンスの訓練を受けた人の声ではありますが,突然警察署といわれてビックリさせられ,眠気を覚ましてくれるのです.しかしたまに,普通のオッサンのダミ声で「こちらは東京都○○建設事務所です云々……」とアナウンスをされると,「何だ!この場違いな声は!」と呆れさせられることもありますが,それもまた愉快ではありませんか.