2008年4月25日金曜日

東京のスモッグが鮮明に見える日(2001年2月)

 
9:00                13:30

 (写真は2000/2/03のものです.)


工学院大学電気電子情報同窓会HPから転載

http://www2.kogakuin.or.jp/denki/denki_old/

 
 寒い冬の朝には,工学院大学の高層棟から東京のスモッグが鮮明に見えます.  冬の晴れた日の明け方には地面が強く冷やされます.日が出て大気が暖められ始めても,地表近くの空気は,冷えた大地のために温度が直ぐには上昇しないのです.そのため地表の温度が上層の温度より低くなることがあります.通常の大気は上層に行くほど気圧の減少に伴って気温が低くなっており,地表で暖められた空気は軽くなって上昇します.しかし上層の方が温度の高い状態を逆転層いうそうですが,この状態では地表の空気が対流によって攪拌されなくなります.朝になって,人々が活動を始め自動車が動き出して排気ガスを出ますが,それが拡散されずに,濃いタール色をしたスモッグの層が,地表を覆ってしまうのです.写真は新宿の工学院大学高層棟から池袋サンシャインを眺めた景色です.時間とともにスモッグは拡散し,見えなくなります. この現象を最初に私達に紹介し,解説してくれた方は本学情報工学科の三好和憲教授です.教授は本学で最も博識な先生のお一人です. このスモッグを見る度に,私たちの健康が心配になります.